坂口 唯

社会福祉法人 香東園 岡本荘
理学療法士
入社13年目(中途)

20代二人で手探りのスタート。今年はより専門的な部分で成果を残していきたいです

2013年04月19日 掲載

転職のきっかけ─

入社前、3年ほどリハビリテーション病院の回復期病棟で働いていました。そこでは、基本的に治療を終えた患者さん達は自宅、もしくは施設へ戻っていきます。けれど、実際は病院を離れてからもリハビリを続けたいと希望する患者さんが多く、そんな方々を目にするうちに、維持期におけるケアの重要性を感じ始めました。ちょうどその頃、同期入社だった作業療法士が岡本荘に転職しており、リハビリを取り入れたケアを充実させるため、リハビリチームをつくるという話を耳にしたんです。介護や福祉施設における専門的な知識はほとんどありませんでしたが、ここでなら、患者さん達の求める維持期におけるケアができるのではと思い、転職を決めました。

チャレンジ─

一人のご利用者さんに対して、複数の職種が関わっていくのが介護の現場。けれど、介護施設での理学療法士の配置は、人材が充実した所が少なく、介護士さんや看護師さん達に仕事内容を理解し連携してもらうには時間が必要でした。もちろん、それはご利用者さんも同じ。そこでまずは、ご利用者さん達に顔と名前を覚えてもらうところから始めようと、立ち上げメンバー2人で決めました。来る日も来る日も、「新しく入りました」「毎日来るからね!」と自己紹介の繰り返し。ようやく浸透してきたところで、次に私たちがどんな仕事・治療を行っていくのかを説明していきました。人として受け入れてもらうのは簡単でも、仕事を理解してもらい信頼を得ることは想像以上に大変。でも、地道に活動を続けた結果、立ち上げから約一年半でようやく軌道に乗せることができました。近頃では、私達が行く日に合わせてデイサービスセンターを利用してくれる方や、リハビリを待ってくれている方が現れはじめ、手応えを感じています。

理学療法士としての日常―

デイサービスセンターでは、ご利用者の皆さんと体操をしたり、個々の状態にあわせたリハビリを行っています。デイサービスセンターは自宅での生活が根本にあるので、実際にご自宅に伺って話を聞くことも。例えば、階段の上り下りに苦労しているとおっしゃる方には、自宅の階段を想定したリハビリを行ってみたり、一緒に外へウォーキングに出るなど、個別ケアを行います。一方、特養では、一日の多くをベッドの上で過ごす方もいらっしゃるので、拘縮が進まないようにストレッチをしたり、関節の可動域を広げるためのリハビリなどを行っています。

今年の目標―

手探りのスタートでしたが、園長の「若い力で、これからの岡本を創っていってほしい」という言葉が励みになりました。若手が積極的に提案ができ、やりたいことがチャレンジできる環境があることは、本当にありがたいです。岡本荘には、決められたルールの中にも、自由があると感じます。
これまでの一年半は土台作り。5月からはメンバーが増え、これまで思い描いていたことが実践に移せるのではとワクワクしています! 専門的な部分で成果が残せたら、より周りからの信頼も増し、仕事のふり幅もかわってくるかなと。今のところ、理学療法士は卒業後に総合病院で働くことが多く、小さい病院や田舎の施設では、まだまだ人材が不足しています。今後、福祉の現場にももっと仲間が増え、理学療法を通してより多くのご利用者さんに笑顔の魔法をかけて行きたいと思います。(笑)