菊池真由美

社会福祉法人 岡本荘
相談員
入社26年目(新卒)

「ありがとう」のひと言が私の原動力。
理屈なく、ただお年寄りが好きなんです

2013年04月19日 掲載

岡本荘との出会い─

短大で介護福祉士の専門課程を専攻していた時、実習に来たのが岡本荘でした。確か2、3週間ほど。ちょうど高齢者福祉が注目され始めた時期で、福祉系の学校が続々と開校し、同級生には同じ道を目指す人がたくさんいました。もともとの興味と、時代の流れもあって自然とこの世界へ。実は当時、他施設から先に内定をいただいていたんです。けれど実習の時に目にした岡本荘の職員やご利用者さんの、イキイキとした姿が忘れられず、他社の内定はお断りして岡本荘を選びました。上手く言葉で言えないのですが、施設の雰囲気が自分にぴったりだと感じたんです。働く姿がイメージできた。以来15年間、浮気せず一途に岡本荘です(笑)。

続けてこられたワケ─

理屈なく、お年寄りさんが好きなんです。子供好きの人が保育士を目指すように、私はおじいちゃん、おばあちゃんが好きだからこの職業を選びました。そして日々の中でかけていただける「ありがとう」の言葉が、何よりの原動力になっています。先日、ケアマネージャーをしていた頃に担当していたご利用者さんご家族から、電話をいただくことがありました。ご利用者さんが入院されるなどして大変な時期にあった時、病院に足を運んではご家族と何度も話をしていました。その当時を振り返り、ご家族が「あの時、あの場にいてくれて、本当にありがとうございました」と。担当から外れて大分経つにも関わらず、その一言のためにわざわざ連絡をくださったんです。ケアマネージャーをしていた時も、相談員として働く今も、本当に自分がご利用者やご家族のためになっているのかと、自問することがあります。でもその時、私でも力になれているんだと感じ、これまで続けてきてよかったなとつくづく思いました。
また、プライベートとの両立がはかれることも、続けてこられた理由の一つだと思います。この15年の間、私は二度、出産を経験しました。その際は上司や同僚が嫌な顔一つせず、フォローしてくれたんです。この現場は女性が多く、子育てを経験した先輩がたくさんいるので、バックアップ体制が整っていて。皆、自分の世代が終わったら次の世代へという意識があり、いいサイクルが出来上がっているように思います。女性にとっても働きやすい職場であることは、間違いないですね。

岡本荘の魅力─

実習生として、初めて足を踏み入れたとき感じた通り、とにかく“温もりのある施設”だと思います。施設というのはそれぞれにカラーがあり、施設ごとに雰囲気も全く違います。3年間、高松市地域包括支援センターに出向していた時には、行政やケアマネージャーの方に「岡本荘さんなら安心して任せられる」と声をかけていただくこともあり、客観的に、岡本荘の魅力を再認識することができました。歴史ある施設であること、支援センターなど地域発信に力を入れ、地域に根ざしていること、信頼があること。そして何より、母のような器の大きさみたいなものが、ここにはあるような気がします。